免疫細胞の中で、抗原提示する細胞として知られているのは、樹状細胞です。しかし樹状細胞は数が少なく、実質的な役割はマクロファージが担っていると思うのです。マクロファージが発見されたのは、1892年で発見したウクライナのイリヤ・メチニコフは、1908年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。コロナウイルスと発症の仕組みに、遺伝子とマクロファージの活性化が大きく関わっているのではないとかと予想しています。
免疫細胞の中で、抗原提示する細胞として知られているのは、樹状細胞です。しかし樹状細胞は数が少なく、実質的な役割はマクロファージが担っていると思うのです。マクロファージが発見されたのは、1892年で発見したウクライナのイリヤ・メチニコフは、1908年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。コロナウイルスと発症の仕組みに、遺伝子とマクロファージの活性化が大きく関わっているのではないとかと予想しています。
白血球に分類される細胞にはもう一つ、単球があります。単球は自然免疫にも、獲得免疫にも関わっています。単球は骨髄で造血幹細胞から分化した単芽球から生まれて血液中に放出されます。血液中にあるのは1〜3日程度でそののち血管の外に出て行きます。体内の組織にいる単球は、マクロファージと呼ばれます。
皮膚や鼻腔、肺や腸などの外界と接する場所に存在する単球由来の白血球を樹状細胞と呼びます。皮膚下にいる樹状細胞はランゲルハンス細胞と呼ぶこともあります。一般的には樹状細胞が抗原提示の主役です。
Wikipediaにある樹状細胞の画像。
マクロファージは一般的に大食細胞と呼ばれます。食細胞である好中球より大きなサイズだからです。好中球の直径が12〜15μm(マイクロメートル)であるのに、マクロファージは直径15〜20μmあります。血液中の単球は概ね好中球と同じくらいの大きさですが、マクロファージに変わるとサイズが大きくなり、自在に伸縮して異物を食らいます。
マクロファージは体内の掃除屋としてその数は多く、樹状細胞は少ないと言われてます。
マクロファージはとりあえず、正常な細胞以外のものを細胞内に取り込んでいきます。死んだ細胞や変成した物質、細菌やウイルスにお構いなく食いまくります。体内の掃除屋です。しかし同時に取り込んだ物質を分解しその遺伝子成分を調べる機能を持っています。そこに細菌やウイルスの遺伝子を含んだ断片があると、ヘルパーT細胞に注進します。樹状細胞も存在する場所が違うにしても、不審な断片があると、抗原としてヘルパーT細胞に伝達します。これが抗原提示です。ここから獲得免疫のシステムが始まるのです。ちみみにマクロファージは、癌細胞も貪食し、その情報をキラーT細胞に伝達するとされています。
既知の細菌やウイルスの断片であれば、サイトカインを放出し、その細菌やウイルスを認識するヘルパーT細胞のみに情報を伝える仕組みになっています。ヘルパーT細胞は細菌やウイルスそれぞれの抗原に対応して存在していて、ひとつのヘルパーT細胞は複数の抗原に対応していないのです。ここで既知の細菌やウイルスであれば、そのヘルパーT細胞にリンクしたB細胞が活性化されて、抗体が速やかに生成されるのです。ヘルパーT細胞は同時にサイトカインを放出して、多くのマクロファージに侵入者の警報を鳴らします。
もし、マクロファージや樹状細胞の感度が優れていなければ、細菌やウイルスの抗原の提示が遅れて、抗体の産出も遅れてしまうことになります。そして感染が広がります。
抗原情報を持つヘルパーT細胞は、エフェクターT細胞と呼ばれますが、抗原情報を持たないまっさらのヘルパーT細胞は、ナイーブT細胞と呼ばれます。もし未知の細菌やウイルスであれば、樹状細胞だけがナイーブT細胞に対して抗原提示を行うことができるという説があります。マクロファージは抗原提示はできますが、ナイーブT細胞に対しては抗原提示できないとされています。
すでに獲得されている免疫については、マクロファージが活躍し、いまだ獲得されていない異物については新しく獲得免疫システム構築することになり、その場合は樹状細胞が大きな役割を担っているわけです。
しかし、マクロファージも樹状細胞も単球由来のリンパ球です。マクロファージも樹状細胞と同じように、ナイーブT細胞に抗原提示できるという説もあります。もしそうであれば、マクロファージの活性化が低いと、感染しやすいと言えるかもしれません。
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