Macintoshで外付けBlu-rayドライブを使うときの注意点は、DVDプレーヤーが使えないということである。標準ソフトであるDVDプレーヤーは、Blu-rayドライブそのものに完全には対応していないことだ。Blu-rayドライブにDVDタイトルを挿入してDVDプレーヤーを起動すると、うまく再生される時もあるが、再生されない時もあった。Blu-rayドライブでDVDビデオを再生するときも、VLCを使う方がいいかもしれない。
VLCを使う場合は、まずシステム環境設定の[CDとDVD]を開いて「ビデオDVDをセットしたときの動作」を確認しよう。「DVDプレーヤーを開く」となっていれば、「無視」にしておく。「DVDプレーヤーを開く」であれば、Blu-rayドライブにDVDタイトルを入れても、DVDプレーヤーが起動するからである。DVDプレーヤーとVCLをDockに並べておき、再生時に選択できるようにすれば良い。

VLCメディアプレーヤーを起動して、メインウインドウで[メディアを開く]をクリックする。[ソースを開く]でディスクタブを選択し、DVDのタイトルが選択されていることを確認したら、右下の[開く]ボタンをクリックする。これでDVDタイトルが再生される。最初に画面の下にファイル名が表示されるが、Blu-rayタイトルのメニューと異なり、画面内のメニューをクリックすると動作する。つまり「本編スタート」をクッリクすると、再生が始まるのだ。



DVDプレーヤーと違って機能が劣る部分はある。コントローラの「次へ」のボタンクリックすると、次のチャプターには行かずメインメニューに戻ってしまったりする。タイトルやチャプターへの移動は再生メニューから選択し、字幕やオーディオもメニューからの選択となる。少し面倒だ。字幕やオーディオがコントローラからできれば、ほぼ遜色のないものになるだろう。
もちろん、VLCメディアプレーヤーでのメリットもある。たとえば、ビデオメニューにある[ビデオエフェクト]などである。全体に暗いシーンが多くて見にくい場合は、[ビデオエフェクト]で「明るさ」を調整して明るくすると、黒つぶれしていた部分も見やすくなる。明るさだけでなく、色相、コントラスト、ガンマ、彩度なども調整可能だ。DVDプレーヤーには「明るさ」を調整する機能はない。またDVDプレーヤーと違って、スナップショットも簡単に撮ることができる。

Blu-rayメデイア内に、ファイルとしてDVDビデオファイルを保存すると、複数のタイトルをBlu-rayメディア内に収録可能だ。ただしファイルとして書き込まれているだけなので、通常のBlu-rayドライブやDVDドライブでは使えない。MacintoshやPCのみでの利用となる。DVDビデオがメディアとしてフォーマットされていないので、動画の再生ではMacintoshやPCで専用のソフトが必要になる。しかしデータの保存には便利だろう。
この場合もVLCメディアプレーヤーを使う。DVDプレーヤーはハードディスク内のDVDビデオを開いて再生できるが、Blu-rayドライブ内のDVDビデオは再生できない。
メディアを開いているときに問題が起きました。

とアラートが表示されるのである。しかしVLCメディアプレーヤーでは、Blu-rayメディア内のDVDビデオを選択してそれだけを再生することが可能だ。[ソースを開く]でファイルタブを選択し、[参照]でDVDビデオのタイトルフォルダかVIDEO_TSのフォルダを指定するのである。それでDVDビデオが再生可能になる。


DVDビデオをDVDメディアに焼くとき、ファイルサイズが大きいと、圧縮をかけることになる。二層で焼けるサイズであれば二層で焼けばいいが、二層はメディアの単価も高く、圧縮することが一般的だろう。Blu-rayメディアに焼いて、VLCメディアプレーヤーで見るときは、通常のDVDドライブでは再生できないが、圧縮せずに焼くことが可能だ。圧縮する手間は不要になる。それもBlu-rayメディアにDVDビデオを焼くメリットではないのか。
Blu-rayドライブを使うのであれば、原則的にDVDプレーヤーは使わずに、VLCメディアプレーヤーを使うようにすればいい。字幕やオーディオの選択では多少機能が劣るが、使い方さえ分かっていればそれほど問題はないだろう。